仕事に関する悩みを抱えている人は多くいます。
忙しくて考える時間がない
自分の力を発揮できていない
組織の都合が多すぎて自由が少ない
繰り返しばかりで楽しくない
僕も教員時代はあらゆる仕事に不満がありました。
挙げていけばきりがありません。特に
「自分のやりたい仕事(プロジェクト)を実践したい」
この気持ちは大きくありました。
もっと自由に実践できたら、、
でもそれは組織の問題でも、個人の能力の問題でもありませんでした。
やり方の問題です。
組織との折り合いをうまくつけ、
その上で自分のやりたいことを実践していく
欲張りで狡猾な、まさに『ずるい仕事術』
今回は天才ディレクタ―佐久間宣行さんに学んでいきます。
著者紹介
佐久間宣行さん
・元テレビ東京プロデューサー
・代表作品
「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」
・「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」パーソナリティ
今回の学び
概要
根性で面白いものを!
という体育会系イメージのTV業界
面白い番組を作ってきた佐久間さん
自分の面白いものを表現し続けられている理由は
ずるさ
付き合いの飲み会に行かず
他の人と戦わず
組織の都合に文句を言わず
自分の時間を大切にして
自分のやりたいことをやってしまう。
普段我慢している誰もが
「ずるい!」
と叫びたくなるうらやましい環境の佐久間さん。
佐久間さんがそんな環境で働けているのは
実は佐久間さんがそうできるように
根拠を持った努力をしていたからです。
どんな努力をしたら
そんな環境が手に入るのか。
・仕事術
・人間関係
・チーム
・マネジメント
・企画術
・メンタル
ずるく仕事をしていくための
具体的なテクニックを6つの項目で説明しています。
佐久間さんのずるさの根本は
問題の本質に対して取り組んでいること
逆に、ほとんどの不満は本質に取り組めていないことから起きていることです。
では佐久間さんが本質をどのようにとらえ、行動しているのか、学んでいきます。
仕事術
この本の肝でもある部分ですが、佐久間さんのテクニックのほとんどが、
①すぐやる
②前向きにやる
に集約できます。
この2つを徹底的にやることで、組織内の摩擦を減らし、自分自身が快適に仕事ができる環境を整えていくということです。
①すぐやる
ここのすぐは、スピードよりもタイミングです。
例えば、報連相。
これを早く行うことで、上司は自分の仕事を把握できます。
これで上司の「確認する」という仕事が一つ減ります。
逆に、報告しておかないと、
上司は仕事がちゃんと進んでいるのか不安になり
ルールやタスクを与えることで、束縛しようとします。
これでは自分がやりやすい環境とは言えません。
また、難しい仕事に挑戦するタイミングも早い方がいいです。
「まだ自分には早いから」
と断ってしまってもいいことはありません。
完璧な準備ができているときはそもそもありえないと考えておくことが大切です。
早くから挑戦していた方が
周りからのハードルも低く、リスクはありません。
他にも、依頼を断るタイミング、会議のまとめをするタイミング etc…
「早い」ということにはいろんなメリットがあります。
②前向きにやる
やりたい仕事をしているときは、とにかく楽しそうにします。
そうすることで、上司は次もこんな仕事をさせようと考えてくれます。
やりたい仕事をしているんだから当たり前、と思いがちですが、
仕事となるとどんなことでも愚痴をこぼしてしまいがちです。
やりたいことができているときこそ最大のアピールチャンスです。
また、退屈な仕事を工夫して
「自分だけの仕事にする」ことも大切です。
面白くなりそうなポイントを探して、工夫する。
どうせやらなくてはいけないことなら、楽しめた方が儲けものです。
この「前向きにやる」ことの最大のポイントは、それが
ポジティブな循環を生む
ことです。
前向きなことで、自分が楽しめて、周りの評価も上がります。
評価が上がっていけば任せてもらえることも多くなり、結果として、やりたいことがやりやすくなります。
逆にネガティブな循環を生んでしまうと、、、
前向きな方がよさそうです。
人間関係
ずるい仕事術における
人間関係のコツは、
割り切り
仕事の人間関係はあくまでも
仕事がうまくいくために築くもの
という割り切りが重要です。
印象的な言葉が
最短距離よりも、平らな道
自分の感情をストレートに伝えると、相手とぶつかってしまうかもしれません。
自分の気持ちを直接伝えるのは、簡単で明快で最短距離ですが、仕事をうまく進める確実性はないのです。
それよりは、「自分まだ未熟でそれに挑戦するよりは、〇〇をすることでこんな風に会社に貢献することができると思うんです。」と伝えます。
・自分を下げて
・会社(上司)のメリットを提示する
ことで、無駄な摩擦を生まずに、自分の気持ちを伝えることができます。
人間関係のトラブルは自分の仕事環境にとってマイナスの要素でしかありません。
仕事をスムーズに進めるためには、平らな道を行くことが最善です。
「仕事術」で出てきた「前向きにやる」ことも大切です。
ここでは
相手を褒める
ということです。これも無駄な摩擦を生まない技術です。
褒めていくことで、相手の武器を把握する癖がつきます。これはチームを組む時などにも有効です。
また、褒めるを習慣化することで、ネガティブな発言の説得力が増します。
「いつもは優しい〇〇がそこまで言うなら、、、」となるわけです。
こうして、社内ではとにかく仕事を円滑に進めるための人間関係を構築していきます。
と同時に重要なのは、
社外にいい仲間を持っておくこと
損得勘定なしで付き合える場所があることは
セーフティネットになります。
会社が100%になってしまうと逃げ場がありません。
仕事は仕事と割り切るためにも、
仲間の存在は重要です。
チーム・マネジメント
仕事は基本的にチームで行います。
いい仕事をするためには、いいチームが欠かせません。
仕事では、
①チームに参加する
②チームを作る
という2つのパータンがあります。
①チームに参加する
チームに参加する上で大切なのは、キャラクターの共有です。
自分のことがまったく理解されていないと、マネジメント側は何の仕事を振るべきかわからず、ともすると全く不向きな仕事が振られてしまう可能性があります。
ちゃんと自分が何ができるのか、どんな性格なのかなど、キャラクターを周知しておくことは双方にとって重要です。
また、そのキャラクターを把握するために
若いうちに背伸びをしておく
ことも重要です。
背伸びとは、難しいことに挑戦したり、やったことのないジャンルに挑戦したりすることです。
背伸びの経験が、適性を自己理解するもとになるからです。
自己理解がないと何ができるかが自分でもわからず、
チームに入ってもキャラクターをはっきり周知できません。
そして、アピールするのは必ず職場で仕事の時間内に行います。
飲み会や休憩時間などでは、アピールが軽く扱われてしまいます。
本気度が伝わるというのも重要なアピールです。
②チームを作る
自分がチームのマネジメント側に入れたときに最も重要なのは、
リーダーが誰よりも楽しそうにやる
リーダーの空気感はチームの空気感に直結します。
いいチームを作るためにはいいリーダーであることが最重要です。
この空気感づくりはマネジメントのあらゆる部分で重要です。
会議で発言しやすいように、すべての発言を否定しない
事前にNG行為を伝えて、共有する
リーダー自ら、メンバーにポジティブなフィードバックを行う
など、チームの空気感を作り上げることでいいチームになっていきます。
フィードバックに関しては、
部下の仕事に対して返し続けることも重要です。
自分で引き取った方が楽ですが、あえて返します。
そうすることで「楽な上司」にならず、
部下自身の成長にもなります。
メンバーは
企画を作るときに感覚の近い人と練り
実行するときには真逆のタイプを入れる
メンバーには「おれ、こんなもんじゃねぇぞ」とぎらついた人を選ぶ
という基準で選んでいきます。推進力とバランスと爆発力。こういった要素で組み立てていくことが大切です。
企画術
自分のやりたいことを実現していくとき
企画書で会社を説得することが必要です。
①いいアイディアを作ること
②きちんと相手に伝えること
この2つがきちんとできていないと、やりたいことは実現していきません。
①いいアイディアを作る
アイディアの源泉はインプットです。
積極的にいろんなものを見に行く、プライベートでも様々な経験をしておく
というインプットがアイディアの源になります。
そして、企画には
自分が面白いと思っていること(原液)
が必要です。
アイディアはセンスだけに頼ると生み出すことがきつくなっていきます。
なので、アイディアづくりは習慣化しておくことが大切です。
思いついたらメモをする
メモがたまったら、選んで企画の種を作る
種がたまったら、企画書にしておく
時期が来たら、ストックの中から提出する
これらを、「〇日置き」「〇習慣置き」と周期を決め
それを忠実にこなしていきます。
いきなり1から作ろうとするとものすごい負荷ですが、
習慣にしてストックを作っておければ、チャンスを生かすことができます。
アイディアは、一瞬のひらめきではなく、積み重ねの上に出来上がるものです。
②きちんと相手に伝える
どれだけいい原液があっても、割り方を間違えるとおいしく飲めません。
企画書は出して終わりではなく、通さなくてはいけないものですから、
アイディアを、魅力的に、伝わりやすくしておくことが必要です。
まずは自分が感じている面白さをきちんと理解します。
なぜ面白いのか、が説明できなくては相手に伝わることはありえません。
その上で、読み手を意識することも重要です。
会社であれば、「儲かる」か「成長する」というメリットを提示することが、相手にとって魅力的かどうかを決めます。
また、誰が言うかというのも重要です。
自分の属性(年齢や社内の立場、見た目など)でいうから面白い、ということもあります。
自分の属性がフリになっていると、さらに魅力的な企画にすることができます。
メンタル
「真剣にはなっても、深刻になってはいけない」
この本の一番の軸になるとも思える言葉です。
佐久間さんの基本スタンスの一つは、「仕事は仕事」と割り切ること。
その根本には、この深刻にならないという割り切りがあるように思えます。
メンタルを第一に考えながら
仕事にどう向き合っていくか
が最も重要なことです。
これまでも何度か登場しましたが、「割り切り」は様々に応用することができます。
ここでは、悩みに応用します。
悩みを、
・組織に対するものか
・自分の能力に対するものか
きちんと分解して考えます。
要素を分解していくと本質が見えてきます。
本質がわかると、対応も的確に考えることができます。
また、これは究極の割り切り術
興味の持てないことは
「省エネモード」で乗り切る。
省エネモードは、最低限チームにとってマイナスの存在にならないように働くこと。
その裏で、プライベートのインプットを充実させて、次のチャンスに備えます。
とにかくメンタルを崩さないこと
これを最優先に仕事には、向き合っていきます。
ただ、頑張らない、張り合いがないことも
メンタルにはマイナスなので、
頑張りどころを見つけるというのも大切なことです。
+α 運について
メンタルを大きく左右するのが、「運」
運は、自分でコントロールできない部分ですが
備えることはできます。
普段から愛想や誠実によって、信用を作っておきます。
「運」はその信用によってかけられた橋を、ふとした時にわたってきます。
運はコントロールできませんが、
全く信用のない人には絶対来ないということです。
まとめ
「因数分解」
という表現がよく使われていました。
これは本質を見極める重要な方法です。
本質がわかると効率よく頑張ることができます。
効率よく無駄のない頑張りができているから
佐久間さんは「ずるく」見えるんですね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後も新しい学びを紹介していきますので、よろしくお願いします。
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